岡島一正

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安倍総理、万機公論に決すべし! ~皇太子さまの誕生日会見に思う~

天皇制

今日は、皇太子さまの54歳のお誕生日。皇太子さまは誕生日に先立つ会見で「今日の日本は戦後、日本国憲法を基礎として築き上げられ平和と繁栄を享受している」「今後とも憲法を順守する立場に立ち、事に当たっていく」と述べられた。

天皇陛下も昨年1223日の誕生日会見や元旦のお言葉にあたって、現行憲法の下での平和国家建設について言及されていた。 

昭和天皇は帝国憲法下では国家元首であったが、戦後は現行憲法下で象徴天皇に位置して戦後日本の復興、成長に尽くされた。

今の殆どの日本人が直接知る二代の天皇や皇太子さまの憲法順守の思いや公議を重んじる姿勢。その原点は明治維新に思える。

明治天皇が18683月に京都御所で発布した五か条の御誓文は、明治新政府が幕制を廃し新たに統治の基本を宣言した国是。

第一条には、後の民撰議会をはじめ戦後民主主義、現代の議会にも通じる国是として「広く会議を興し」と宣言されている。

昭和天皇は終戦から4ヶ月、昭和21年元旦の「神格否定の詔」の冒頭で五か条の御誓文の全文を引用して「人間宣言」をした。

五か条の御誓文(原文)

・広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ

・上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ

・官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心  ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス

・旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ

・智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ

昭和天皇が全文引用に拘ったのは、日本国憲法や戦後民主主義による変革の原点を日本人自身の明治維新と定めていたからだ。

今、安倍総理が現憲法は占領下でアメリカに一方的に押し付けられたからと憲法改正の根拠を唱える事に、僕は異議を感ずる。

五か条の御誓文は自由民権運動、大正デモクラシー、戦後民主主義と続き昭和天皇は五か条の御誓文を戦後日本の原点とした。

そうした日本人自らが培ってきた民主主義思想の源流があってこそ、戦後米軍占領下においても現行日本国憲法は出来たのだ。

五か条の御誓文は、坂本龍馬が「船中八策」に遺した思想を源に由利公正、福岡孝弟の手を経たものを木戸孝允が仕上げた。

「広く会議を興し万機公論に決すべし」この1条は福岡孝弟の案では「列侯会議を興し万機公論に決すべし」となっていた。

それを「広く会議を興し…」と公論を一般に広げたのが、倒幕の志士、長州藩桂小五郎にして維新三傑の一人、木戸孝允だ。

安倍総理は郷土の英傑による五か条の御誓文を読んでいないのか。総理の進める内閣による憲法解釈変更は先達の意とは違う。

安倍総理は、憲法改正が至難とみるや、内閣だけの憲法九条の解釈変更によって集団的自衛権の行使に踏み込もうとしている。

僕は憲法改正そのものに真っ向から反対しているのではない。国連との関係を更に明確化すべきなど改正論議すべき点はある。

しかし、安倍総理の進め方は間違っている。内閣の解釈変更が先で会議を興さない。まずは国会での議論こそあるべきだ。

そもそもが日本は、戦後の義務教育の中で日本、世界の近現代史や憲法史については十分な授業がなされて来たとは言えない。

史実を学ぶ機会のなかった国民も少なからずいる。教育も不十分で国民的議論もない閣議だけで憲法解釈変更など許されない。

今、安倍総理に思い至って欲しい。木戸孝允が整え明治天皇が発布した「広く会議を興し万機公論に決すべし」という言葉を。

僕には、皇太子殿下のお言葉も総理、国民に「明治維新を礎とする日本の民主主義の歩み」を確認するメッセージと思えた。